「東京都・足立16中人権侵害事件」とその後

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zoom RSS 三都議VS増田教員 準備書面4

<<   作成日時 : 2007/10/16 22:40   >>

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第5 「原告の敗訴部分に関する検討」に対する反論

1 公益目的に関する批判に対する反論 
 本件書籍の記載が公益目的を有していることは、原判決が判示するとおりであり、そのことは、本件書籍の巻頭言「足立十六中事件が問いかけるもの」を一読すれば明かである。
原告は、「原告の紙上討論授業の内容は子細に検討すればするほど、批判の対象とする理由が全くないことは明らかである」等というが、「原告の紙上討論における方法は、公立中学校の生徒を対象とするものであるにもかかわらず、一般的に、自らの考えと同じ意見についてはこれを賞賛する一方、自らの考えと異なる考えに対してはこれを辛辣に批判するという姿勢をとっており、また、自らの考えが日本国憲法に忠実なものであり、自らの考えに沿わない考えは日本国憲法に反するものであるとするなど、一方的かつ反論を許さない態様のものであった」と認められることからすれば(乙64の34頁最終行〜)、正に、いわゆる教育正常化の観点から批判の対象とされるべきものであったことは余りに明かである。

2 名誉毀損性に関する個別的批判に対する反論 

(1) 第1表現について
第1表現は、文脈からも明らかなように、あくまで朝日新聞の記事に向けられた批判である。文脈から離れて言論への制約を課そうとする原告の論法は、表現の自由に優越的地位を認めて保障しようとする憲法の精神を理解しないものである。
また、第1表現中の「マインドコントロール」は、原判決が認めているように「生徒を一定の方向に誘導する」の言い換えであり論評であることからみると、第14表現において、「原告は自己の立場に沿う意見をもつ事を生徒たちに求めていたと推認できるのであり、少なくとも紙上討論事業においては、自己の政治的思想に近い意見を形成するよう誘導していた事実」が認定されている(原判決47頁)ことや、第27表現において、「増田教諭が行なってきたマインドコントロール授業」の表現について、「原告が、特定の政治的立場に立って授業を進行したこと、授業に用いたプリントに附したコメントは原告の立つ立場からの視点のものが大半を占めること、配布した資料の多くが原告の意見に沿うものであること」を基礎事実とする論評であるとされ、その主要部分において真実であると認定されていること(原判決36頁)からすれば、真実性を有する前提事実に基づく正当な論評ということができる。
因みに、東京地裁平成18年5月29日判決では、「紙上討論においては、生徒らの意見に対し、原告自身もコメントを記述することがあったところ、原告は、自らと同じ考えを持つ生徒の意見についてはこれを承認する意見を記述し、自らと違う考えを持つ生徒の意見については『自分がどんなにアサハカ、かつ恥知らずな事を言っているのか自覚しないでいる意見については少しかわいそうでもその過ちをはっきり教えてあげるのが私の仕事』といった考え方に基づいた直接的な批判を行い、また、原告自身の考え方として、『私は、よく考えられた、あるいは直感的にとらえられた、正しい意見には、いつでも心からの賛意を《一方的に》表明し、よく考えられていないアサハカな意見を《一方的に》指弾することに何らの不都合も感じません」、あるいは、自らが日本国憲法主義者であり、原告の紹介する意見は歴史的事実、憲法原則に忠実なものばかりであって、原告の考え方に沿わない考え方は、日本国憲法に反するものであるといった意見を記述していたこと」(乙64の21頁中段〜)が認定されているが、この認定事実に照らせば、紙上討論に対して「マインドコントロール」と論評することが、事実に基づく正当な論評であることはますます明かである。

(2) 第7表現について
原告は、「はっきり自己の政治的立場、思想を教育に持ち込む教師」という第7表現をして「一般的な読者からすれば、原告があたかも法秩序に反するような極端に過激な政治的立場、思想を有しており、それを授業の場で生徒達に強制しているかのような印象を与える表現である」(42頁)とするが、原告独特の決め付けに過ぎず、何故そのように解されるというのか理解できない。
また、原告は、「地震は天災ですが、米軍基地は人災です。」「沖縄の人達は、もちろん抵抗できる限り抵抗しましたが、米軍は暴力(剣とブルドーザー)でむりやり土地を取り上げて基地を作ったというのが歴史的事実です。」「アメリカの戦争のお手伝いに自衛隊を協力させるという約束をしています」といった原告のコメントが全部客観的事実であるというが、これは驚きである。
まず「米軍基地は人災です」について言えば、米軍基地の存在そのものが災厄だとするものであり、原告がいうような騒音や墜落事故の危険、米兵による少女の暴行事件を「人災」と呼ぶこととは次元が違う表現であり、反基地の立場に立つものであることは明かである。また、「米軍がむりやり土地を取り上げて基地を作った」という表現も、地主が相当額の賃料を受領している事実に照らして一方的に過ぎるし、「アメリカの戦争のお手伝いに自衛隊を協力させるという約束」に至っては、一体何を根拠にいうものか全く不明である(日米安保は日本の防衛を米国に義務づけるものであっても、米国の戦争に対する協力を日本に義務づけるものではない)。こうしたコメントは米軍基地問題に関する一方的な理解を生徒に植え付けるものであって不適切であるばかりか、原告の認識における偏見と誤解と無知をますます明かにするものに他ならない。それらコメントが「原告の沖縄米軍基地には反対であるとの自己の思想を明確にし」たものであることは議論の余地がない。それを「あくまでも憲法の根本原理である『平和主義』に立脚しているものである」と強弁する姿勢は、まさしく「自己の政治的立場、思想を教育に持ち込む」ことに無反省な原告の独善を浮き彫りにするばかりである。
また、米軍基地の存在性・有用性を否定する立場からのコメントや資料提供は相当数に上ることは前述したとおりであるが、反対に認める立場からのコメントはもとより、その立場からの資料提供が皆無であることがその典型例である。一般人の感覚でこの事態を判断するなら、原判決の認定通りとならざるを得ないことは明らかなのである。 

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