「東京都・足立16中人権侵害事件」とその後

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zoom RSS 三都議VS増田教員 準備書面7

<<   作成日時 : 2007/10/19 15:53   >>

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第6 「プライバシー侵害について」に対する反論

 1 原告の反論
   原判決のプライバシー侵害部分に関する原告の反論は、➀個人情報を「私的事柄に属しみだりに開示されることを欲しない情報」と「公に属する事柄」と峻別することは妥当ではない、➁被告らは、原告の個人情報を違法に入手し、本件書籍に掲載したのであり、その違法性は強度である、➂本件書籍への原告の個人情報の掲載は、公務員である被告らの守秘義務に違反するものである、というものである。
いずれも首肯し難い主張であり、以下のとおり反論する。

 2 守秘義務違反について
   まず、原告の個人情報の本件書籍への掲載は、公務員である被告らの守秘義務に違反するものであるという主張について反論する。
   原告は、被告らが公務員として高度の守秘義務が課されているというが、それが地方公務員法が規定する守秘義務(同法34条1項)をいうのであれば、全く失当である。同法は一般職の職員を対象とするものであり、都民の代表として公選によって選任される特別職公務員である都議会議員には当てはまらない(同法3条3項)。また、東京都個人情報保護条例にも都議を対象とする義務づけや罰則の定めはない。
 被告ら都議は、産経新聞の記事(乙39の1〜5)等で明かになった東京都の教育行政の歪みをチェックするため、議員が分有する立法調査権を行使して公務員である原告の「職務遂行に関する個人情報」を入手し、その都議としての「政治活動」と広く都民に教育行政の問題を知らせる「報道目的」のため、本件書籍にこれを掲載したものであり、都議として全く正当な行為であり、何ら違法はない。
   被告らの高度の守秘義務違反をいう原告は、その法的根拠を明示しなければならないはずである。

 2 本件各個人情報の入手が違法であるとの主張について
   原告は、東京都が被告ら都議に本件各情報を提供・開示したことが違法であるとして東京都に損害賠償を求めた訴訟に対する二審判決である東京高裁平成19年2月14日判決(甲42)が、東京都の違法と損害賠償を認めたことを引き合いにし、被告らの本件各情報の入手も違法であり、違法に入手した個人情報を本人に無断で本件書籍に掲載して公表することには重大な違法性があるというのである。
   そもそも本件各個人情報の東京都による提供・開示が東京都個人情報保護条例に照らして違法かどうかは、正当な調査権限を行使して教育行政の歪みを明かにして糾すという都議の職責を果たした被告らの入手の正当性如何とは全く別のことである。
また、東京都情報保護条例、東京都が有する情報の原則公開を定め、「個人に関する情報」を例外的に非開示とするが、同法7条1項2号は「公務員の職務遂行に関する情報」については、原則どおり開示を予定している(同法7条1項2号:乙67)。
更に、個人情報保護法は、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」(同法1条)ことを目的としており、保護されるべき個人情報であっても報道や政治活動(それに付随する行為も含む)に供する目的で開示する行為につき、雑則第50条で除外規定を設け、個人情報の保護の要請が、表現の自由や政治活動の自由を損なうことのないよう配慮している(乙68)。東京都個人情報保護条例の解釈もこうした個人情報保護法の趣旨を反映したものでなければならないことはいうまでもない。
被告らの本件各個人情報入手が都議の正当な調査権限に基づいて正当な目的でなされたものであること、東京都情報公開条例7条及び個人情報保護法1条、50条の趣旨に鑑みると、被告らの本件各個人情報の入手が適法であることはもちろん、東京都の提供・開示が違法であるとの判断も誤りであると言わざるをえず、前記高裁判決には重大な疑義がある(なお、高裁判決は上告中である)。

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